エステ経営

自宅サロンを経営するなら知っておきたい!成功例と実践法5選

自宅サロンは低コストで始められる割に経営がうまくいかない例は意外と多いです。自宅サロンだからこその強味を見落としていたり、デメリットを解消できないまま経営をしてしまっていたりと理由は様々です。

今回は以下の項目に分け、実例を交えながらご紹介していきます。

  • コンセプト設定
  • 集客と顧客管理
  • 空間演出
  • 価格設定
  • 不安要素を武器にする方法

自宅サロンの開業を考えている人はもちろん、今まさに自宅サロン経営中の人もすぐに取り入れられる内容となっておりますのでぜひ参考にしてみてください!

コンセプトはお店の柱!自宅サロンの大前提を忘れずに

コンセプトを考える時、まず考えるのはお客様です。ペルソナ(架空のお客様)設定を行う時、自分の得意や理想をベースに考える事はもちろん不正解ではありません。ですが、気を付けたいのはそのお客様がサロンの周りにいるかどうかです。ペルソナ設定は自宅サロン周辺の環境や住人をよく把握したうえで決めていきましょう!

実際のペルソナ設定の考え方を実例を交えてご紹介します。

まず、サロンの周りの住人や環境を把握する

これらはある自宅サロンとその近隣住人の特徴です。

住環境

  • 小学校~大学、専門学校までが10㎞圏内に揃っている
  • 病院やクリニックも多い
  • スーパーやホームセンターなども徒歩圏内にある
  • 駅からはバス、もしくは車利用必須
  • 比較的便利な住宅街だが、市街地からは離れている
  • エステサロンのような店は少な目

近隣住人

  • 子育て世代が多いがお年寄りや大学生の下宿も多い
  • 習い事はお迎え必須な為、忙しい母親は多い
  • リモートワークで近隣住人の在宅率は高め
  • 近隣施設でのアルバイトやパートに従事している人も多い

自宅サロン

  • 一軒家で駐車スペースはある
  • 比較的分かりやすい立地

このサロンのペルソナ設定とそのポイント

ペルソナ

  • 20~40代の主婦(専業、兼業)
  • 日々あわただしく、自分の時間は少ない
  • 車は運転出来る、自転車も移動手段
  • マッサージの為に遠出する時間はない
  • 肩こりや日々の疲れは癒したい

この自宅サロンでは遠方のお客様では無く、自宅サロン周辺が生活圏内の主婦を対象にしました。駐車スペースがあるため、車はもちろん自転車で行くことも可能です。買い物の前や送り迎えの合間に行くことができ、なおかつしっかりその主婦の疲れを癒すことを前提としてメニューやサロンを完成させて安定したリピーターを獲得しています。

ほかにも、単身世帯が多かったり、住宅よりも市街地に近い環境の場合はまた違ったペルソナ設定を行いサロン造りをする必要があります。まずは、自宅の周りをよく観察して、お客様になってくれそうな人を探してみましょう。

集客とリピーター対策は必ず同時に行う

自宅サロンを開業する際、一番のネックは集客です。その上、商業地とは違い、一見のお客様が多く来てもらえる事は期待できません。そこで大切になってくるのがリピーターの数です。宣伝はしっかりと行いながら、また来たいと思う空間やサービスの設定は欠かせません。

これから紹介する集客法とリピーター対策は低コストではありますが、地道に行う必要があります。集客や宣伝が苦手で予算がとれる人はお金をかけてプロに任せてしまうのも、1つの選択肢としてあることを覚えておいてください。

SNSをオープン前から活用

自宅サロンは公開出来る範囲が少ない分、オーナーの人柄やサロンの雰囲気をしっかり伝える為にSNSを有効活用しましょう。今回は例として、Instagramの投稿ジャンルをご紹介します。

  • 店内写真
  • 施術動画
  • おうちで出来る簡単ケア動画
  • 物販のマッサージオイルなどの使用動画

などです。サロンの宣伝なので顔出しができれば理想でかありますが、お店のホームページなどで顔出しをしている場合は必須ではありません。

そして、忘れてはいけないのが他の媒体との相互リンクと連絡先の提示です。他のSNSや宣伝している媒体、自宅サロンのホームページそれぞれにリンクと連絡先を分かりやすく提示して新規のお客様の目に触れやすい環境を整えます。

近所での広告はチラシを活用

近所にターゲット層が利用している飲食店や施設があれば、チラシを置かせてもらいましょう。デザインさえ決めておけば、業者に比較的安価で頼むことも出来ます。予算に合わせてクーポンを付ける事も出来ます。

興味がある人だけがチラシを手に取ってくれるのでランダムに配布するよりコスパが高いです。情報は出来るだけシンプルにしてパッと見た時になんのチラシか分かるようにしましょう。

リピーターの為のメニューや特典をつくる

初回のお客様にリピートしてもらう為にはサロンの質の高さや相性の良さは欠かせない要素ではあります。ですが、何か特典があれば再来店へのモチベーションが上がりやすくなりますので、経営の負担にならないようにしっかり見極めながら特典を考えて見てみましょう!

自宅サロンの特典の例

  • ポイントカードを利用したオフ施策
  • 条件を設定した上でオフや値引き
  • バースデー特典
  • オフの代わりにオプションメニューのサービス

などがあります。なんでも安くしてしまうわけではなく、50日以内の再来店や5,000円以上でオフ等、必ず条件は設定しましょう。もちろん、得点はオフだけじゃないので、お店の利益はきちんと確保しながらお客様への還元方法を考えましょう!

自宅サロンだからこそ!リラックス出来る空間造りを

自宅サロンはその名の通り施術者の自宅がエステサロンになりますので、気を付けたいポイントはたくさんあります。あまりに生活感が漂うサロンだとお客様もリラックスできません。

ここでは、気を付けたいポイントと実際の改善方法をご紹介します。

お客様がリラックスできない自宅サロンの例

友人や知人等だけが対象の趣味の延長であれば多少の生活感は問題ありませんが、実際にビジネスとして行うのであれば、生活感はマイナスポイントでしかありません。

以下が、実際の例です

  • 生活音が大きい
  • 施術場所と生活空間が一緒
  • お手洗いの清潔感
  • 家の匂い
  • 玄関から施術空間までの生活感が強い
  • 人の気配がする

改装等を行い生活空間と完全に分離することができればいいですが、改装ができなくても改善できるポイントはたくさんあります。出来る範囲で少しずつしっかり改善していきましょう。

自宅サロンを快適にした方法とポイント

ここで紹介するポイントは施術部屋以外は改装なしで営業している自宅サロンのオーナーが実際に気を付けていたポイントです。家の構造によっては難しいこともあるかと思いますが、ぜひ参考にしてみてください。

以下が実際の方法です

  • 玄関の靴は全て靴箱に収めた
  • 施術の部屋を玄関から近く他の空間を通過しない場所にした
  • 消臭とアロマにお金をかけた
  • お客様が入る場所の清掃は完璧に行った
  • 家族が居ない時間だけを営業時間にした
  • 玄関から施術部屋までの物を徹底的になくした
  • 家の外に物を放置しないようにした
  • 施術部屋や目に触れる空間の雑貨屋や装飾のテーマを統一した
  • BGMをしっかり設定した

テナントを借りない分、低コストで始められるのが自宅サロンの魅力ではありますが、お金をかける所はしっかりとかけ、お客様の為の空間をしっかりと作りましょう。

どうしても生活音が気になる場合、施術部屋だけでも防音工事を行うことをおすすめします。これはお客様の為だけでなく、オーナーのプライバシー保護にも役に立つのでおすすめです。

低価格は危険!経営者としての思考で価格設定を行う

家賃が掛からないからと価格設定をかなり安くするのは危険です。安すぎれば売上が上がらずお店を続けるのが難しくなりますし、お客様も安すぎる所では不安になってしまいます。

大切な事は、お客様が支払った金額より価値が高いと感じる事です。初回やリピーター向けの施策も取り入れたい場合は特に、基本メニューの価格設定には注意しましょう。

ここでは、実際の価格設定の仕方をご紹介します。

基本的な価格相場と自宅サロンでの価格設定の仕方

人気の自宅サロンの価格設定は、実はテナントなどのサロンに比べて明らかに安いわけではありません。家賃がない分安くできそうではありますが、お客様から頂く代金の考え方を大きく変える必要はありません。

基本的な客単価は

(基本料金×施術時間×技術料)+オプション/物販

このような構成になります。

基本料金の相場は10分1,000円と言われています。ここに、使用している機器やマッサージオイル、特別な技術があればその料金を上乗せしたものが施術料です。

ここで参考にしたいのが、ターゲットや施術内容が近い他のエステサロンのメニューと近隣のエステサロンのメニューです。この価格に合わせる必要はありませんが他店より安い価格設定してしまわないようにしましょう。安さでは無く価格以上の価値を提供する事を念頭に置いて価格設定を行います。

価格設定に迷った時にまず考える事

ここでご紹介するのはどうしても設定価格に迷ったときに確認したい、メニュー代金の考え方です。上記で紹介したのはあくまで相場でした。

メニューや物販の価格を決める時に考慮するべきこと

  • ひと月に掛かる固定費
  • ひと月にかかる変動費(経費)
  • 施術時の個人の時給
  • 1日の施術人数
  • ひと月あたりの欲しい売上と利益の目安
  • 物販の原価
  • 施術の時に使う消耗品の原価

ひと月に掛かる経費、欲しい利益、対応できる客数や時間で、お客様ひとりあたりの客単価を考える事が出来ます。他にも、施術に使うマッサージオイルの単価や自分の時給をしっかり踏まえたうえでメニューを組みます。そして、ひとつ前にご紹介した相場などと比べて見て、大きく相場と違う場合は理由を考えながら価格を調整します。

メニューやそれに伴う価格設定は、これからの運用に関わる部分なので必ずしっかり考えた上で決定します。

自宅サロンは行きにくい!を解消した方法

ここまでに自宅サロンの運営やサロンそのものについてをご紹介してきましたが、ここでは、自宅サロンならではのネガティブポイントをポジティブに格上げした演出法や解消法をご紹介していきます。

場所が分からなくて怪しい…を隠れ家的サロンに格上げ

プライバシーの保護や防犯の関係で住所を大々的に出していない自宅サロンは多く、集客につながりにくい原因の1つでもあります。ただ、完全に非公表ではもちろんお客様も来ることができません。

そんな時に使えるワードが隠れ家的サロンです。例えば、紹介制にしてみたり、初回だけ近隣のランドマークに迎えに行ったり、SNSで既存のお客様に宣伝してもらう…等です。

実際のお客様の声をSNSで流すことで知り合いや既存顧客を通して集客をすることが出来ます。最初から大きな効果は見込みにくいかも知れませんが、確実に新規やリピーターを増やすことにもつながりますので、ぜひ試してみてくださいね!

外観は内緒でも公表出来るポイントはある!

外観や、細かい住所を出せなかったり外観を出せないと悩んでいるオーナーさんは意外と多いです。それでも、宣伝の為にSNSやホームページを活用すれば、お客様の不安をかなり軽減することが出来ます。

SNSやホームページで出しておきたいポイント

  • サロン内の内観(施術部屋とお客様が入る空間)
  • 自宅サロン周辺の目印になる場所(徒歩5分圏内などで)
  • お店用の連絡先
  • 施術者の顔や経歴

お客様が始めて行く自宅サロンが本当に安心出来る場所なのかを判断するための情報はできる限り提示しましょう。実際の予約画面等や、サロン情報に細かい住所が載せられない場合は「自宅サロンのため、ご予約が確定してから所在地の詳細をお伝え致します。」などの但し書きをつけるとよいです。

まとめ

今回は、自宅サロンの運営のコツを実際の成功例とともにご紹介していきました。実際の自宅サロンの特徴や強味、課題など、それぞれ違うものではありますが、成功するコツや考え方の基本はあまり変わりません。

正しいターゲット設定とそれに合わせたメニュー作り、集客と顧客管理、サロンの空間演出と衛生管理、適切な価格設定、そして、自宅サロンのデメリットをしっかり補う対策です。

するべきことが多く、混乱してしまうかも知れませんが、ToDoリストなどをしっかり作って1つずつ解決していけば問題ありません。自宅サロンをこれから開業する人はもちろん今、サロン経営に悩んでいる人も、まずはコンセプトからしっかり組んでみてくださいね!

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