現在雇用されて働いているエステティシャンやエステ勉強中の人には、
「どこかで雇用されるより、独立したほうが儲かるかもしれない」
と思う人は多いのではないでしょうか?
その考えは決して間違いではありませんが、正解でもありません。
現在、エステサロンの開業件数は年々増えています。
安定して経営しているエステサロンももちろんありますが、開業件数の増加に比例するように廃業しているエステサロンも増えてきています。
今回は、そんな競争の激しいエステサロン業界の中で、安定して確実に成功するために欠かせない以下の2つのポイントについてご紹介します。
- 失敗しないために準備は丁寧に、確実に
- ビジネスの基本には充実に
この2点は当たり前のことのように思われますが、全ての経営者ができているわけではありません。ですが、成功しているエステサロンの開業者でこの2点をないがしろにしている人はほとんどいません。
次からはこの2つのポイントについてさらに深堀りして行きますので、これから開業を考えている人や、自身のエステサロンでしっかり成功していきたい人はぜひ参考にしてみてくださいね!
開業は儲からない?失敗しないための準備は丁寧に!
エステを開業しても、実際に3年後、5年後も経営を続けられるエステサロンは決して多くはありません。経営に失敗してしまうと、儲けるどころか生活そのものが大変になったり、借金を抱えてしまうなんてことにもなりかねません。
丁寧で的確な準備はそんな失敗をしてしまわないために欠かせない要素です。実際におすすめしたい開業前準備のポイントは以下の3つです。
- 事業計画書や下準備は抜かりなく行う。
- エステサロンの商圏は細部まで把握する。
- 集客は開業準備とともに開始する。
この3点はエステサロンにかかわらず、BtoCの事業であれば欠かせない要素です。ここでは、特にエステサロンの開業時に注目したいポイントに焦点を当てながら解説します。
開業準備は綿密に!儲かるかどうかはここで決まる!
開業準備と聞いてするべきことをきちんと把握している人は意外と少ないと思います。テナントの確保や集客、備品の準備などはもちろんですが、他にも準備をすべきことは山のようにあります。
開業準備に必要なことの詳細はこちらの記事でも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください!
儲けるための開業準備で重視すべきポイントは、
- 事業計画書
- 自己資本の確保
の2点です。
事業計画書は今後の事業運営の核になる存在です。サロンのコンセプトはもちろん、資金調達から返済までの計画、ターゲット層、価格帯、施術内容、雇用予定の有無、3~5年の中長期的な事業目標などかなり詳細まで決定していく必要があります。
自己資本の確保については、事業計画書をきちんと用意できれば銀行からの借入もできますし、公的な補助金も期待できます。
借入額が多ければ多いほどリスクも大きいですし、返済でなかなか利益が上がりにくくなるので、注意が必要です。
開業後半年~1年は集客にもお金がかかります。
事業に集中できるように、最低でも半年分の生活費とできるだけ多くの自己資本を用意しましょう。開業資金のほとんどを借入でまかなう必要がある場合は、それに見合うだけの事業計画書の作成と丁寧な準備が必須となります。
自分の理想だけじゃだめ!自分の商圏はきちんと把握しよう
事業計画書を作成するとき、特に気を付けたいことは商圏内で集客できそうな客層です。どれだけ詳細な事業計画書を作成しても、エステサロンの開業予定地域にエステサロンのメインターゲットがいなければ意味がありません。
そこで必要なのは正確なリサーチとマーケティング計画です。エステサロンの開業を決めたら、まずはいくつか候補地を用意し丁寧に市場調査をしましょう。この市場調査は前の項目でご紹介した事業計画書をより実践的に、的確に作成していくために欠かせないものです。
市場調査の範囲は、サロン開業予定地から半径500m〜5㎞程度と考えましょう。これは、徒歩圏内か自転車、車、公共交通機関の有無など、想定されるお客様の来店方法により変える必要があります。どのような手段で来店するお客様が多いかは地域特性の差が大きいため、あらゆる方法での来店方法を想定したうえで市場調査の範囲を決めましょう。
市場調査の時に把握したいポイントは以下の通りです。
- 近隣の駅の利用者数とその傾向
- サロン予定地付近の導線
- ターゲット層の数
- ターゲット層の行動範囲や傾向、行動目的
- エリア内の住人の傾向
- エリア内が生活圏(仕事など)の人の傾向
- 曜日別、時間帯別の人の流れ方
- 商業施設や競合他社などを含めた施設の調査
これらの情報の一部は公的機関の情報でも十分に調査できますが、必ず現地に足を運んで自分の手で調査しましょう。ほかにもSNSのハッシュタグなどで調べると、その人の行動の傾向も一緒に探る事ができるため、おすすめの調査方法です。
ほかにも、実際に開業に失敗しやすい事例はこちらでご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
集客は開業前から始めるのが、今のセオリー
SNSで情報発信や情報収集することが主流になっている現代、集客や宣伝にもSNSは大変有効な手段です。SNSはもちろん、サロンの情報発信にはホームページやブログなど、自身で発信する情報をコントロールできて、広告費もほとんどかからないため、積極的に利用していきたい媒体です。
そして大切な事は、開業が決まった段階で積極的に宣伝を開始することです。サロンコンセプトをはじめ、経営者のキャラクター、エステサロンができるまでの道のりもしっかり宣伝に利用する事ができます。合わせて、フォロワーが参加・交流できる場を作ったり、プロが教えるホームケアなどを細かく発信することで開業までに一定数のファンを得ることができます。
一定数のファンをオープン前に獲得することができれば、開業直前に莫大な広告費をかけなくても、しっかりスタートダッシュを決めることができます。
SNSを含めた集客のポイントはこちらでもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
儲かる仕組みはある?目標は中長期的に立てよう!
簡単に言ってしまえば、こうすれば必ず儲かる。というようなルールはありません。ただし、利益に対する目標の設定の仕方や、確実に進めるためのルールはあります。
儲かる仕組みを作るための最低限のルールは以下の2点です。
- 欲しい利益から逆算して売り上げ目標を設定する
- 小さく始めて大きく育てる
この2点について詳しくご紹介します。
売り上げと利益は別!売り上げ目標設定は逆算が鍵!
売り上げ目標を高く設定し、実際にその目標を達成しても利益がなかなか上がらないエステサロンがあります。それは、売り上げと利益は違うものだからです。
エステサロンの利益率は約15%と言われていますが、競合サロンとの価格競争のために利益を度外視してしまうエステサロンがないわけではありません。
売り上げ目標を設定するときに考慮するべきポイントは以下の通りです。
- 家賃やリース代などの固定費
- 消耗品や仕入れ、電気代などの変動費
- 広告、クーポン利用などの広告費
- 借入の返済
- 人件費
これらの合計の原価に対して15~20%程度の利益を上乗せしたものが売り上げ目標となります。実際にこの数字に対して、計算をしてメニューの金額を設定すると、より現実的な数字を算出することが可能です。
実際には、
売り上げ目標金額÷目標客数(想定客数)
で、出てきた数字が目標とする客単価です。この時の客数は最大施術可能客数の7~8割にとどめるようにしましょう。それは、実際の客単価や客数が想定より低くなってしまった場合のリスクを考慮するためです。この目標金額に無理がある場合は、原価を見直すようにしましょう。利益を削る事がベースになってしまうと、いつまでも利益が上がらないエステサロンになってしまいます。
最初から大成功は難しい!小さく始めて大きく育てよう
最初から複数人の従業員を雇い、家賃が高いエリアで開業することはあまりお勧めしません。共同経営などでリスクを分散できればいいですが、最初から大きく始めてしまうと、以下のようなリスクがあります。
- 借入額が大きくなり、利益率が下がる。
- 軌道に乗るまでの支出の負担が大きすぎる。
- 事業がうまくいかなかったときのリスクが大きすぎる。
安定した収益を期待できる事業がないまま、支出ばかりを大きくすることはあまりいいアイデアとは言えません。少しずつでも低リスクで確実に利益を上げるポイントは以下の通りです。
- 個人サロンや小規模サロンなどから始める。
- 増えた収益で少しずつ事業を拡大する。
- 少しずつ人に任せて、効率的に利益(収入)をふやす。
大きすぎるリスクは、新規事業には不向きです。確実に安定させるためにも、自分の手の届く範囲から始めて、お金にも仕事にも余裕がある状態で事業を拡大させていきましょう。
まとめ
今回は、エステの開業は本当に儲かるのか、儲けるにはどうすればいいのかについて簡単にご紹介しました。
儲かるエステサロンを作るポイントをまとめると、
- エステ経営の勉強をする
- コンセプトや事業計画書は細部まで設定する
- 市場調査は綿密にする
- 半年分の生活費は用意しておく
- 自己資本をできるだけ用意する
- 開業前からブログやSNSで知名度はあげておく
- 初期費用を抑える
などが挙げられます。
基本的な事ばかりですが、これらの基本をしっかり積み重ねられる人こそ、さらなる成長につなげていくことができます。
基本を踏まえたうえでお客様のニーズに柔軟に対応して、しっかりと儲けることができるエステサロンに成長させてくださいね!
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